【子の看護等休暇】子どもの急な体調不良に使える制度~オペ看が解説~

オペ室

はじめに

「今日、子どもが熱を出した。でも今日は手術が3件入ってる……」

「保育園から呼び出しの電話。でも今まさに手術中」

「休みたいけど、人が少ない手術室で言い出せない」

子育て中のオペ看なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。子どもの急な体調不良は、いつも最悪のタイミングでやってきます。

でも「仕方ない」と有給を使い続けたり、無理して出勤したりする必要はありません。子の看護等休暇という制度があります。

この記事では、子の看護休暇の仕組みと使い方をわかりやすく解説します。


まず結論:子どもが急病のときに使える休暇があります

項目内容
制度名子の看護等休暇
根拠法育児・介護休業法 第16条の2
対象小学校3年生修了までの子を養育する労働者
日数年5日(子が2人以上は年10日)
取得単位1日・半日・時間単位
給与有給か無給かは病院の規定による

子の看護等休暇とは?

一言で言うと…

「小学校3年生修了までの子どもの急な病気やケガのときに取れる休暇」

育児・介護休業法に基づく制度で、子どもが病気やケガをしたときに仕事を休んで看病できる権利です。

有給休暇とは別に取得できるため、有給を消費せずに休めるのが大きなポイントです。

年次有給休暇とは別枠の制度であり、有給休暇の日数を消費せずに取得できますが、休暇中の賃金が支払われるかどうかは職場の規定によります。


どんなときに使えるの?

子の看護等休暇が使える場面は以下のとおりです。

使える場面具体例
子どもの病気・ケガの看護発熱・嘔吐・骨折など
病院への付き添い小児科・救急受診など
予防接種定期接種・インフルエンザなど
健康診断乳幼児健診など
保護者として参加する場合入園式・卒園式・入学式
感染症による学級閉鎖等インフルエンザによる学級閉鎖など

「発熱で保育園から呼び出された」「夜中に嘔吐して朝から小児科に連れて行く」といった場面がまさに対象です。


取得できる日数のルール

基本のルール

子どもの人数年間取得日数
1人年5日
2人以上年10日

子どもが2人いれば年10日取得できます。ただし子どもの人数が3人以上になっても上限は年10日です。

時間単位で取れる

2021年の法改正から、時間単位での取得が可能になりました。

たとえば:

  • 午前中だけ小児科に連れて行って午後から出勤
  • 保育園の呼び出しに対応して2時間だけ休む

といった柔軟な使い方ができます。手術室のシフトに合わせて使いやすくなりました。


有給?無給?お金はどうなるの?

子の看護等休暇の給与については法律上の定めがありません。

つまり有給か無給かは病院の就業規則によって異なります。

パターン内容
有給休んでも給与が出る(手厚い病院)
無給休んだ分は給与が出ない(法律上は許容)
半額半日分の給与が出る病院もある

まず自分の病院の就業規則を確認してみましょう。無給であっても、有給休暇とは別枠で休める権利があることは変わりません。


申請方法

基本的な流れ

STEP1 子どもの体調不良・受診の必要性を確認する

STEP2 できるだけ早めに師長・上司に連絡する

STEP3 「子の看護等休暇を取得したい」と伝える

STEP4 職場の所定の手続きに従って申請書を提出する

事前申請が難しい場合

急な呼び出しや朝起きたら熱が出ていたなど、事前申請が難しいケースがほとんどです。

その場合はまず電話で連絡して、後から書類を提出する形で対応できる病院がほとんどです。

証明書類は必要?

法律上、病院側が証明書類(診断書・受診証明など)の提出を求めることは可能ですが、義務ではありません。

職場の就業規則で定められている場合は従う必要がありますが、必ずしも診断書が必要なわけではありません。


現場あるある

あるある①「制度を知らずに有給を使い続けていた」

「子どもが熱を出したら有給を使うもの」と思っていた人は多いです。子の看護等休暇を知っていれば有給を温存できます。まず残日数と就業規則を確認してみましょう。

あるある②「手術室は人が少ないから言い出せない」

「今日は手術が多いのに休めない」というプレッシャーは手術室ならではです。でも人員不足のみを理由として取得そのものを認めないことはできません。

申請を理由に不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。

あるある③「半日単位・時間単位が使えることを知らなかった」

「1日休まないといけない」と思っていた人も多いです。午前中だけ小児科に連れて行って午後から出勤する、といった使い方ができます。手術室のシフトに合わせた柔軟な活用が可能です。

あるある④「パートや非常勤は使えないと思っていた」

子の看護等休暇はパートや非常勤でも取得できます。ただし以下の場合は労使協定で除外できるケースがあります。

あるある⑤「術中に保育園から連絡が来た」

手術中は患者安全の観点から直ちに離脱できない場合があります。しかし子の看護等休暇を取得する権利は失われません。まずは師長やリーダーに状況を報告し、引継ぎ後に対応することになります。

あるある⑥「入園式や卒園式に使えることを知らなかった」

子の看護等休暇は病気やケガのためだけの制度ではありません。2025年の法改正により、入園式・卒園式・入学式への参加にも利用できるようになりました。有給休暇を使う前に、まず職場の制度を確認してみましょう。

除外される可能性がある場合
週の所定労働日数が2日以下
継続雇用期間が6ヶ月未満(改正前のルールで、現在は撤廃されています。)

自分が対象かどうか就業規則で確認しておきましょう。


子の看護等休暇と有給休暇の違い

子の看護等休暇有給休暇
根拠法育児・介護休業法労働基準法
日数年5〜10日(子の人数による)勤続年数により年10〜20日付与(繰り越しで最大40日保有可)
取得単位時間・半日・1日半日・1日・時間単位(制度による)
給与病院による(有給・無給)原則有給
取得理由子の病気・ケガ・受診等に限定理由不要
繰り越しできない(年度リセット)2年間繰り越し可(最大40日)

有給休暇は理由を問わず使えますが、子の看護等休暇は子どもに関する理由に限定されます。使い分けることで有給休暇を温存できます。


まとめ

項目ポイント
対象小学校3年生修了までの子を養育する労働者
日数年5日(2人以上は年10日)
取得単位時間・半日・1日単位
給与病院の就業規則による
有給との違い別枠で取得できる・理由が限定される
申請早めに師長・上司に連絡

子どもの急な体調不良は、どんなに準備をしていても防ぎようがありません。

「休めない」と我慢するのではなく、使える制度を知って、必要なときに迷わず使えるようにしておきましょう。

子どもの看護をしながら仕事を続けられる環境を整えることは、長く働き続けるための大切な一歩です。


※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的な状況については、職場の人事・総務、または社会保険労務士・弁護士にご相談ください。

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